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高校化学~化学の授業が難しく感じてきた高校生へ~

  • shoohs888
  • 3月21日
  • 読了時間: 7分

2025年の共通テストの化学はかなり難度が高く、一年後解けるようになるのか不安になっている受験生も多いことと思います。また難化を続ける共通テストに対抗すべく、松山東高校をはじめとして松山市内の進学校では化学の授業進度が例年よりも早くなっているため、授業についていけず、もはや自分が何を学んでいるのかすらわからなくなっている生徒たちも散見されます。 そういった学生向けに本記事を作成してみました。

 

理論化学

「状態方程式」PV=nRTを(変数)=(定数)の形に変形してみよう! 

  気体の分野の出題では、当然のことながら気体の状態方程式を使います。 

  この状態方程式PV=nRT。の形を覚え、さらに以下のように式変形を操ると上手くいき 

  やすいです。 

 

  例1) 「温度」が一定の場合 

      PV=nRTのRは「気体定数」なので一定、Tが温度なので一定、モル数も変わら 

     ず一定。よってPV=(一定)の形にできます(ボイルの法則)。 

 例2) 「圧力」が一定の場合 

     PV=nRT のRは「気体定数」なので一定、Pが圧力なので一定、モル数も変わら 

     ず一定。左辺に定数Pがあるので、両辺をPで割ることにより右辺に移動させま 

     す。V=nRT/P。右辺には変数Tがあるので、両辺をTで割ることによりTを左辺 

     に移動させます。V/T=nR/P=(一定)になります(シャルルの法則)。 

  

 この、変数と定数を式変形により分離させる操作により、変数が比例関係にあるのか反 

 比例の関係にあるのかがわかりやすくなります。汎用性の高い解き方なので必ず春休み 

 のうちにできるようになっておきましょう! 

 

「すべて気体」なら状態方程式。「液体と気体が共存」なら蒸気圧曲線。 

 「蒸気圧曲線」に対して抵抗感のある受験生は多いことと思います。まず問題の条件において、「すべて気体」の状態にあるのか「液体と気体が共存」の状態にあるのかを読み取りましょう。「すべて気体」の状態なら状態方程式、「液体と気体が共存」なら「気液平衡」の状態にあるので蒸気圧曲線にしたがいます。共通テスト2021年第1日程、第1問の問4がとても良い問題ですので、ぜひチャレンジしてみてください!化学の問題にどうあたっていけばよいのかがよくわかる一題です。 

 

「化学平衡」の問題は真似でもいいから教科書の例題を解けるように! 

 理系のみなさんは「変化前」「変化量」「平衡時」の表を見たことがあると思います。その例題を、完全にまねする形で良いので必ず解けるようにしておいてください。化学に困っている受験生は多いですが、これができるかできないかだけでもその後の出来が全然違います。もう本当にどうすればよいかわからない人は、まずはここから頑張ってみましょう! 

④(やや応用)「緩衝作用」について説明できますか…? 

 教科書の「緩衝液」の項目について自分でちゃんと説明できますか?緩衝液は「酸や塩基を少量加えてもpHが変化しない溶液」であり、なんとなく仕組みは理解できている人が多いと思い正宇。しかし、大前提として「塩は水溶液中で完全に電離する」という事実の理解が抜けている高校生が意外に多いです。 

 例) CH3COONa→CH3COO- + Na+ ←平衡ではなく「完全に電離」 

     NH4Cl→NH4+Cl- ←平衡ではなく「完全に電離」 

何が平衡状態にあり、何が平衡ではなく一方向的な反応なのかを理解することが、緩衝液の理解の大きなカギとなるかもしれません。 

  

 

無機化学 

「銅と濃硫酸の反応の式」が書けますか…? 

 無機化学は覚えることが大量にある分野ですが、1年生の「化学基礎」との関連で理解することが理解への近道です。私は個別指導で化学を取っている生徒に必ず「銅と濃硫酸の反応式」を書かせます。Cu+H2SO4→CuSO4+H2…ではないんですよね。それがなぜかわかるでしょうか。答えは、「銅は水素よりもイオン化傾向が小さいから」です。銅は水素よりもイオン化傾向が小さいので、希塩酸や希硫酸と反応して水素を発生することがありません。 

 ではどのような反応をするのか…。教科書を見てもらえればわかりますが、銅は「酸化力の強い酸」と反応します。ここで、「酸化力」の「酸」と、「強い酸」の「酸」の違いに注意しましょう。「酸化力」の「酸」は酸化還元の酸、「強い酸」の「酸」は「酸・塩基」の酸のことを指します。銅と濃硫酸の反応において、濃硫酸は「酸化剤」としてのはたらき、それから「酸・塩基」の「酸」としてのはたらきをするわけです。 

 ここで、銅と濃硫酸の半反応式をかきましょう。 

 (銅) Cu→Cu2+ + 2e- 

 (濃硫酸) H2SO4+2H+ +2e- → SO2 +2H2O 

 これらを合わせると… 

  Cu+ H2SO4+2H+ →Cu2+ SO2+2H2O 

  

 さて、だいたいの形が見えてきました。ここからどうしましょうか…。 

 次に、H+「水素イオン」に着目します。この水素イオンの出どころは、もちろん「硫 

 酸」です。この2H+をH2SO4におきかえてみると… 

  Cu+ H2SO4+ H2SO4→Cu2+ +SO2+2H2O+SO4 

  

 最後に、右辺にあるCu2+とSO4を合わせて終わりです。 

  Cu+ H2SO4+ H2SO4→CuSO4+ SO2+2H2O 

 

 「銅と濃硫酸の反応式」について理解すると無機化学が楽しくなってきます!理解できた人は同様に「銅と希硝酸」「銅と濃硝酸」の反応式にもチャレンジしてみましょう。 

 

 「電気分解」からはじめてみよう! 

 電気分解は無機化学分野ではなく理論化学分野ですが、無機化学の勉強を始めるうえでスタートしやすい内容です。たとえば、アルミニウムなどのイオン化傾向が大きい金属元素を取り出したいときに用いる「融解塩電解」、銅の「電解精錬」などは、無機化学の原子各論と大きくかかわっており、得点に結びつきやすいです。無機化学が手つかずになっている受験生はまずここから学習をスタートしてみましょう。 

 

有機化学 

 有機化学は、中学校以来学習してきた化学式と大きく異なる部分があるため、戸惑う受験生が多いです。しかし有機分野は慣れてくるとできるようになる分野ですので、いかに早く有機に慣れるかが受験の出来を大きく左右します。共通テストに入ってから有機化学も教科書のかなり細かいところが出題されるようになったため、学校の授業もそれに合わせて教科書の細かいところまで扱っている学校が増えたように感じます。ただでさえ有機化学は何が大事なのかがつかみにくい分野なのに、一気に覚えさせられるものですから高校生の負担はとても大きいと思います。有機化学が全くわからない人は、以下のことから覚えてみましょう! 

 

官能基の名前を覚えよう! 

  

官能基の名前 

示性式 

化合物の名前 

ヒドロキシ基 

-OH 

アルコール(フェノール) 

カルボキシ基 

-COOH 

カルボン酸 

ニトロ基 

-NO2 

ニトロ化合物 

スルホ基 

-SO3H 

スルホン酸 

アルデヒド基 

-CHO 

アルデヒド 

ケトン基 

-C=O 

ケトン 

エステル結合 

-COO-R 

エステル 

アルカン、アルケン名称をC6「ヘキサン/へキセン」まで覚えよう! 

炭素数 

アルカン 

アルケン 

メタン CH4 

(メチレン基CH2) 

エタン C2H6 

エチレンC2H4 

プロパンC3H8 

プロペンC3H6 

ブタン C4H10 

ブテン C4H8 

ペンタンC5H12 

ペンテンC5H10 

ヘキサンC6H14 

へキセンC6H12 

何が大事かわからない人は以下の反応だけでも! 

 ・アルコール+カルボン酸→エステル 

 ・アルコール+金属Na→水素発生 

 ・第一級アルコール→アルデヒド→カルボン酸 

  ※メタノール→ホルムアルデヒド→ギ酸、は「メタホルギ」で覚える! 

 ・第二級アルコール→ケトン 

 ・アルデヒドの反応①フェーリング液の還元②銀鏡反応 

  ※ギ酸はアルデヒド基を持つカルボン酸なので上の2つの反応を起こす 

 

最後に

 化学はできるようになるととても楽しい科目です。しかし、対策の開始が遅くせっかくできるようになってきたと思ったらもう時すでに遅し…という受験生がとても多いです。分厚い教科書に絶望して何も動き出さないのはもったいないです。ネクサス個別指導学院は、そういったみなさんの助けになりたいと考えております。 

 ネクサス個別指導学院は、受験を「惜しかった思い出」にしないよう、講師は受験生に日々本気で向き合っております。化学が好きな受験生も、手つかずになっている受験生も大歓迎です!春期講習でお待ちしております!ぜひ校舎までお気軽に問い合わせてください! 

 

 

 

 

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