東大英語 傾向と対策 -なにから対策を始めるか-
- shoohs888
- 2024年9月25日
- 読了時間: 6分
はじめに
日本の最高学府である東京大学。そんな東京大学ですが、実は文系においても理系においても英語が最重要科目です。今回は、東大を真剣に目指したいのに「難しい」というイメージばかりが先行してしまって対策がスタートできない受験生のための記事になっています。 東大英語の傾向を記載しつつ、どの様に対策していけばいいかを記載していきます。
要約問題
英文を読んで70~80字の日本語で要約する、東京大学では定番の問題です。要約問題なので当然のことながら基本的に文章全体の内容をまとめるのですが、年によっては文章の前半あるいは後半部分に大事な内容が集中し、そこをまとめざるを得ないこともあります。このような問題に慣れるためにまず必要なことは、「赤本の模範解答をしっかりと読み込む」ことです。赤本の解答は常に正しいとは限らない、あるいは解説が詳しくないと言われることがたまにありますが、記述解答の簡潔さにおいては赤本にまさるものはないと考えています。
また、易しいレベルから東大の要約問題対策を始めたい人には河合出版の「やっておきたい英語長文」の長文を要約することから始めてみるとよいと思います。この問題集には、解答冊子に文章の要約がついています。タイトル通り「やっておきたい」長文しか掲載されていないので、東大志望でない方も必ず手に取るべき一冊であると思います。
日本語のない整序英作文問題
東大英語では、長文中の整序英作文問題が出題されます。「日本語のある整序英作文」は多くの大学で出題されており、これならできる、という受験生も多くいると思います。ただ、東大をはじめとする一部の難関大学では、「日本語なし」かつ「長文中」での整序英作文問題が出題されており、これが受験生にとって高いハードルとなっていることが多いです。
日本語なしの整序英作文問題を解くためのポイントは①SVを意識して作る②明らかにセットになるものはセットにする③空所の前後の形、特にandなどの「並列関係」に注目する、の3つですが、東大の問題の多くは①と②で解こうとして解けるものではありません。結局、③のように前後の形をよく見てつないでいくのが一番です。
たとえば、2020年度の第1問(B)( ) and planesで、空所後の
planesの形を見て cars and planesの形をまず作る、などです。ここだけ
見ると簡単そうに思えるかもしれませんが、意外とこういう単純な形が見
えていなくて正解にたどり着けないケースは多いです。
実は、この「長文中の日本語なしの整序英作文問題」にも「やっておきたい英語長文」シリーズはとても有効です。また開成高校や筑波大学附属駒場高校といった、東大合格者を多数輩出している学校では、高校入試の段階からこの東大入試の形を意識した問題が出題されています。こういった高校入試問題の活用は独学ではなかなか難しいと思いますので、是非一度校舎にお問い合わせください。
和文英訳
和文英訳は、「なぜわざわざ無限に存在する日本語の文章の中で、この文章のこの箇所に下線を引いて受験生に問うのか」という出題の意図を瞬時に読み、フレーズ単位で解答を構成することが求められます。
2021年第2問
だが、語学の習得は自転車に乗る練習のようなもので、練習しているあ
いだは大変でも、一度乗れるようになってしまえばなんでもない。あと
はいつも乗ってさえいればいいのだ
これを見た時、英語が得意な生徒は「語学の習得」、「練習のようなもの」、「一度乗れるようになってしまえば」「いつも乗ってさえいればいい」などフレーズに目を付け、教科書に載っている表現で書くことができないかを探ります。
「語学の習得」→ mastering language
「自転車に乗る練習のようなもの」→ is like practicing riding a bicycle
「一度乗れるようになってしまえば」→ once you can ride it
「いつも乗ってさえいればいい」→ All you have to do is always ride
東大の和文英訳ではたまに難しいものも出されますが、だいたいが「英文法・語法vintage(いいずな書店)」などの基本英単語・文法の知識が頭に入っていれば十分です。あとは、こなれた日本語にも対応できるように、普段から自分が考えたことのごく一部だけでもいいので英語に直してみる訓練も有効です。
単語のレベル
英語に限らず「東大は教科書レベルの知識しか問わない」とよく言われます。実際のところはどうなのでしょうか。
私の見解としては、共通テスト(2024年度までの形式)の第5問、第6問がスラスラ読めるようであれば、単語で困ることはないと思います。レベルとしては、DATA BASE 4500(桐原書店)などであれば一冊すべて覚えているレベル、ターゲット1900(旺文社)であれば半分程度(1000語ほど)のレベルが妥当であると思います。結論、単語に関していえば、東大は「教科書レベル」というのは正しいと思います。
リスニング
東大のリスニングはとにかく文が長いのが特徴です。延々と文章が読まれ続けるため、聞いていて嫌になる受験生もたくさんいることと思います。また実際に受験した感想として、「英検2級よりも読むスピードが速かった」と感じた人もいるようです。
リスニングは「耳を鍛える」ことが重要なのですが、リスニング力を高める具体的な方法として「ディクテーション」というやり方があります。これは聞いた英文をすべて書き取る方法です。一度で全部書きとれるわけがないのは言うまでもありませんが、それを何度も聞き、全文書けるまで何度も何度も繰り返します。そうすると「書こう」という意識で英文を聞くことになるので、「英文を聞く姿勢」が身につきます。また、わからない単語は最後までわからないため、結局リスニング力は単語力に帰着するということを実感することができるのではないでしょうか。リスニング力教科のための素材はたくさんあると思います。東大の過去問にはCDがついていますし、共通テストのリスニング問題でも、普段使っている長文問題集の音声教材でも良いでしょう。とにかく、まとまった英文を何度も聞き、それを書きとる練習を毎日行っていきましょう。
誤文訂正
東大の誤文訂正問題は、他の大学のものと大きく異なります。他の大学では、単にbyとuntilの用法を誤っている、used to+原形とbe used to~ingの用法を誤っているなど、基礎~標準レベルの問題集をやっておけば解ける問題が多いです。しかし東大の誤文訂正問題は、名詞の用法を中心としたハイレベルな問題になっており、専用の対策が欠かせません。東大の形式の問題をたくさん解くことはもちろんですが、「英文法・語法良問500 誤文訂正編」という問題集がオススメです。名前のイメージと異なり、少し難度が高いテキストです。しかし細かい知識を問う問題や品詞に関するものを多く含むため、東大の誤文訂正問題の対策にも役立つと思います。
ネクサス個別指導学院では…
ネクサス個別指導学院では、共通テスト過去問、TOEICなどの外部英語試験の深い研究から、ハイレベルな英語力養成プログラムを組んでおります。英検準1級に合格するには、共通テストで満点を取るには、東大英語で合格点を取るには、どういった英語力が必要になるのか、きっとあなたに合った勉強法が見つかることでしょう。ぜひ一度校舎に足を運んでみてください。
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